400勝の陰に
2019年10月10日
また、野球関係の話になってしまうが、400勝した金田正一投手が亡くなった。私が生まれる前に現役を引退していたので、自分の記憶の中では大投手というより監督や解説者のイメージが強い。あらためて400勝というととんでもない数字だと思う。現代の野球の感覚だと二桁勝利を何年か続けると一人前の投手というイメージがあるが、10勝を毎年続けても40年かかる計算だ。二十歳から活躍しても60歳まで投げ続けないと達成できない。15勝を数年続けたら一流の投手のイメージだが、それでも約27年かかる。今ではほとんど不可能な年間20勝したとしても20年かかってしまう。それほどの大記録だということである。
400勝の陰でどれほどの負け数があったかというと、298敗ということで約300回負けている。要するに7回試合したら4回勝って、3回負けるということである。厳密にいえば、勝ちも負けもつかなかった試合もあったはずだが、ざっくりいうと5割7分ぐらいの勝率だった計算になる。大相撲でいうと9勝6敗か8勝7敗というところなので、横綱や大関の勝ち星だとしたらやや物足りなく思えてしまう。
しかしながら、私が思うのは、300敗近くも悔しい思いをしながら達成した大記録であるというところにすごく価値があるように感じた。イチロー選手も以前に年間200本のヒット打って、この打率を達成するには400本の悔しい打席と向き合わなくてはならないといったことを話してた覚えがある。やはり、大記録や成功の陰には悔しい記録や失敗が必ずあるのである。言い換えれば、悔しい思いや失敗をたくさんしたほうが、成功により近づいて行くともいえるのではないだろうか。次号の広報誌「婦負の野」121号の表紙にはこのふじなみトピックスに書いた『記念すべき大きな意味のある負けた日』が掲載される予定である。悔しい試合を経験して大きくチームが成長することに期待したい。
昨日から話題のノーベル賞を受賞した人々も、きっと悔しい思いや失敗をたくさんしてきた人達なのでしょうね。