回り道こそ必要
2023年02月03日
1つの作業には積極的に取り組み、凄まじい力を出すある利用者の方。
しかし、使い終わった椎茸培地を捨てる作業はなかなか気が乗らない?のか座り込んでしまう、、、
すると、それを見た他利用者はいらいら、無理に彼を動かそうとするのでみんなの動きも止まりみんなでイライラ、、、
こんな毎回の課題をどうにかしたい、彼も周りの利用者も苦しいのではと。彼にはこの作業は合っていないのかなと。
彼らが楽しく仕事ができるために、
何かヒントがないかとまた園長の元へ、、、
始まりと終わりを明確に、行程は分割することと当たり前の基本をとくとくと楽しそうに語って頂いてそれをヒントにまた支援者は空を見上げてボッーと考える。
そうして、まずは試してみよう!苦痛かもしれないけど付き合って!と終わりと始まり、、、、
彼にはハウスにあるたくさんの到底1日で捨てきれるはずのない培地がわかりにくいのでは?と。ではということで、培地を入れて運べる黒い箱をその日に決まった分だけ持ってきて、それが終わったらそれ以上は誘わないでおこうと思いつき実践!
それでダメなら彼のこの作業に関しては見直そうと。まずは一緒に箱を10個ハウスまで運ぶ。なんだ?という顔はあるが順調!
その後、手本を見せて、捨てたらまた箱を元の場所に持って戻ってきてと。2往復目で固まる彼。しかし、表情は死んでない。明らかに戸惑っている。その日はそれでジエンド。
ならばと次の日しばらく考えて、僕の考えが甘かった、、、始まりの場所に終わったものを持ってきたらエンドレスやないか、、、
終わった箱はその捨てた場所に置いてきて、手ぶらでハウスに戻り、ハウスの箱に培地を詰めてまた持っていく。捨てた場所に全てたまったら終わりで最後は運んで元の場所にしようと、、、
これが上手くいった。終わるまでやり続け、気分の良い時の鼻歌まで聞けた。
すると、不思議そうに「この箱いちいちここにためとく必要あるの?」そう、近くにいた他利用者に聞かれた。
「いいの!○○さんにとってはわかりやすいから。みんなも気にならなくなったでしょ?」と言うとみんな確かにーという顔。
「○○くん、廃棄嫌じゃないがだね、ちゃんとやっててすごいね」
よく彼に大声を出していた1人の利用者の方がまっすぐな瞳で僕に言った。彼は仕事をサボる人からたくさんやる人に昇格したらしい。すぐに認められる素直さもこの方々の素敵な一面だ。
声かけさえすれば動くこともあるのかもしれない。ではなく、彼にわかりやすいコミュニケーションの手がかりを毎回用意することは一見回り道かもしれないが、それこそ重要なのかもしれない。