トピックス
作業センターふじなみ
その人の得意なところを見つける
2023年09月28日
一般就労から作業センターふじなみに移ってくる予定のAさん。
どんな作業が得意かといっていた矢先に腰がやられてしまい重いものは持てないと。
どんな作業ができるのかなと本人と考えるため、じっくり作業の様子を観察するといろいろなことが見えてくる。
会話や作業の理解があるが、自分の順番を大事にしてなかなか効率というところまでは難しいとか。
または、作業は細かくできても、休憩などでその場を離れたらどこからやっていけば良いのかわからなくなるとか。そのために視覚的に目印となるものを渡しても大事だという認識がないのか、すぐ無くしてしまうとか。
それを本人に言ってもなかなか言葉が出てくるが故の、こちらの話を伝えるまでの状況説明、理解の学びがうまくいかないとか。
やはり、そういう本人が緊迫していると感じる場面では何か言葉で取り繕いたくなるものだ。よくわかる。
周りの評価や、顔色が気になることもあるのだろう。
そこで、彼を1人にして作業説明だけして自由にやらせてみた。職員はどこかに行ったふりして物陰からチラリ。すると、彼は繊細な摘み取り作業が実はむいていたのだ。手で摘み取り、大きさを理解する能力に長けていた。1番難しいと思っていたことがむいていた。
しかし、もちろん大きさもたまに間違えそうになるし、慣れたら職員にも聞かないで自分で仕事を始めて間違えていたり。その都度、確認することが本人の能力を自信を持って振うには必要という点もわかってきたり。
だから、彼に用意するのではなく、自分で準備、考えてもらうことにした。
自分でグループホームからノートを用意してもらい、そこに職員と考えて、仕事を始める前の手順を書いてみた。それを毎日準えながら作業に入る。
最近はそんな毎日だ。
仕事の内容をわかりやすくしても、接し方を優しくしても、根本的に必要だったのは彼が自分の弱いところと強いところを自分で頭の中で思い出せる、得意なことを見つける準備段階にサポートが必要だったんだと。
支援っていろいろと方法論があるが、そこじゃなかったんだー
支援者のやったったの自己満にならなくてよかったと、ほっとしたが、ドキッとした。
作業センターふじなみ
一日作業体験!!
2023年08月31日
8月には、ふじなみで作業体験を実施しました。それも、少し珍しいかもしれませんが支援学校の保護者様にむけて。
ご本人様にむけて体験をすることも大切ですが、保護者の方が実際にお子さんの将来を考えて、その作業を体験してみることもとても意義のあることではないかと考えたからです。
初めての試み
当日は2名の保護者の方に参加して頂きました。ふじなみの見学、作業の体験、そして、職員むけに実際に行っていた内容での障害に対する座学といった感じで。
実際どうだったのか不安でしたが、保護者の方からは、とてもためになり、考えるきっかりになりました。実際に体験することや、職員の方が障がいのある方の支援にむけてどのようなことを大切に取り組んでいてお勉強されているのかを知ることができたというお話を頂きました。
しかも、私たちが驚いたのは、どちらもお子さんはまだまだ小さい方々だということでした。
まだまだ働くとかは遠い話かなと私たちが思っていただけで、保護者の方々は常にお子さんのことを憂いているんだなということを実感させられました。
しいたけの持ち帰りもあり、笑顔で帰るお姿を見ながら、私たちが思うよりも、めひの野園を含め、福祉には様々なニーズがあるんだなと感じました。そのことに何十年先でも寄り添えるふじなみでいたいと改めて思いました。
作業センターふじなみ
距離感と自信
2023年07月26日
梅雨になる前のとある日、ある職員から園長が現場に来られたんだよ!と言われた。
いろいろと忙しい園長がなぜ?僕に打撃指導でもしにきてくれたのだろうか?と不思議に思っていたら、遠くからドタドタと忙しい足音が聞こえた。その足音は、今年からハウス部門に加わったAさんだった。
一般就労していたが、いろいろとあってこの就労Bに通うようになっていた。そのAさん、あまり言葉が聞きとれないのだが、本人は一生懸命に何かを伝えてくる。
何?と思っていると、先程の職員が「だから、園長がAさんの様子を見に来られたんだって」「ね?Aさん」と。Aさんも嬉しそうに頷く。
Aさんの言っていることがすぐに理解できるその職員もすごいが。
園長は、「Aさん、仕事頑張っとるかー?」と声をかけてくれたらしい。
そのことが嬉しかったAさん。その日の午後はいつも以上に動きが機敏だった。その日からなのか、Aさんは積極的に職員に今日の仕事について質問するようになった。
Aさんは、グループホームで暮らしていて、そこでは自分のことは無頓着らしい。そんなAさんがきちんと仕事をしているのかびっくりする人もいたが、彼は今ふじなみで一生懸命にびちゃびちゃになりながら培地に水をやり、手を泥だらけにしながら草をむしっている。カッパも手袋もつけないポリシーらしい、、
最初来たときは、あまり作業をやりたがらなかったし、自分から話をしなかったが、職員と話し合って、いろんな仕事をやってみてもらって、得意なことと繋がった仕事内容では、本人の器用さや几帳面さが今役に立っている。
そのおかげで、たくさん栄養をもらった培地はたくさんのしいたけを出した。
Aさんはたまに口癖のように、園長、見にきとったわと言う。もう何ヶ月も前のことなのに、、、、
自分のことを見ていてくれるという安心感というか、頑張ればわかってくれるという思いが仕事への意欲、自信に繋がっているのかなとAさんを見ると思う。
そういう意味では、園長に、自分じゃ出し得ない必殺技のモニタリングを見せてもらった気になった一職員なのでした。
たくさんの利用者の方を幸せにするためには、まずは1人の利用者の方とちゃんと向き合わなきゃならないなーと感じさせられました。
最近は自信がついたのか、Aさんありがとうと言うと、職員の方も見ず、背を向けて手をあげて「おぅ!」という感じです。
支援をすることって身の回りの世話、介護といった、してあげられることではなく、本人の知らぬ間に自信をつけて日々を過ごしてもらうことなのかもしれないなと感じる今日この頃です。
今回は投稿が長くなりましたが、個人的にかつて恩師に言われた「支援者とは出過ぎて中心にいることではなく、環境をプロデュースして影でにやにやと笑うことだ」という言葉を思い出しました。
作業センターふじなみ
イベントに参加してきました!
2023年06月30日
6月はイベントが目白押し✨
作業センターふじなみの椎茸も多くのイベントに出させて頂きました!
先日も無印良品さんが行っているイベントに職員も販売員として参加してきました。
たくさんのお客様とお話をしながら、めひののこと、椎茸のことを伝えることができました。
また、お客様からもたくさんの意見を頂きました。
特に印象に残ったのが、めひの野園の商品はみんな美味しいし、よく聞くが、どこにあるのかなどよく見ないとわからない。
もう誰もが知っているブランド力もあるのだから、統一したマークや一目見たらわかるめひの商品の目印のようなものがあると見つけやすいのになというものでした✨✨
確かに、一目で見てわかるロゴマークなどは安心の印にもなるよなと。僕はそのとき、めひの野園のマスコットキャラが全ての商品共通でシールになっているのもいいなー
なんて頭をよぎりました、、、
お客様の意見はとても貴重です。
そして、意見を伝えて頂けるということは言葉のキャッチボール、その過程で障害のある人、めひの野園の取り組みなども知ってもらえるきっかけになるということ
そんな貴重な機会に毎回のイベントをしていきたいなーと思う一販売員なのでした。
作業センターふじなみ
仕事だけじゃない何か
2023年06月01日
ある日、利用者さんの1人がプライベートで時計を無くしてしまい大慌て。
仕事が手につかず、無くした場所に行ってくるとソワソワ。それが無事に解決して、しばらくすると今度は作業所でも時計をなくしたという。
聞いて欲しいが何かを決めて欲しいわけじゃない。それはわかっていたが、こうやったらどう?と伝えても、僕はそれは大丈夫ですとあっさり。
ただ解決策を提示するだけでは、イメージがつかないと、同じことが何度も続くと不安じゃないか、どういう点が不便になるのか、どうやったらそれが解決できるかを一緒に考えさせてねと伝えてみる。
その日はやはり僕はこれでいいですで終わる。
まあ、押し付けになるのは良くないし、本人が困っているなら時間をかけて少しずつ助けになろうと。
すると、次の次の日、本人から声をかけられた。
「●さん(支援員の私)が言っていた時計や携帯、計算機をまとめる袋ってどこで買うのが安いですか?」と。それを丁寧に説明すると次の週からそれを使うようになってくれた。それから2ヶ月がたった。本人にこの間、どうして意見を聞いてくれたの?と尋ねてみた。
「僕のことを真剣に考えてくれているのが伝わったので」だと。単純に嬉しかったし、支援や信頼って日々の積み重ねなんだと感じた。
あとは、本人にとって有意義な提案であることを祈るのみ。就労の場だが、それだけでない意義を感じた出来事でした。
作業センターふじなみ
若い芽
2023年04月25日
—作業センターふじなみは毎年たくさんの実習生を受け入れています。特に最近ではコロナ禍の中で思うように実習先がという困っている学生のために少しでも力になれるようにと。
そんな中で、しいたけに関わるお仕事を通じて障害者支援について学ぶわけですが、それだけではと思うわけです。
そこで、作業センターふじなみでは自閉症の方々への理解をもっと深めてもらいたいと考え、実習の中に講義や演習といったものにも力を入れていこうということになりました。
強度行動障害の研修を担当していた者もいるため、そのノウハウを活かした講義内容を作り実施しています。障害のことを理解したり、実際に近い状態を体験してみたりと楽しみながらも深い学びになるように心がけています。
3月に行われた講義、演習では自閉症の方にとっての見通しの大切さ、言葉だけではないコミュニケーションについて演習で体験してもらいました。
今回の実習生は大学生の方々でしたが、福祉の仕事につきたいと思っている方々にこの実習を通じて自閉症の方や多くの障害のある方のことを知ってもらうことで豊かな地域社会作りのお手伝いができないかと思っています。
障害を全く知らない人こそ、将来の心強い友へ
そんな思いで、まずは結果ばかり考えず未来のために必要だと思いついたことをとりあえずかたちにしていくことから始めていきたいと思います。
作業センターふじなみ
中華としいたけ
2023年03月31日
作業センターふじなみのしいたけは、青椒肉絲に合わせると、とても美味しいということがわかりました!
ほのかな香りだからこそクセが強すぎず中華にはもってこいです!是非ご賞味ください
お近くのアルビスなどで販売しております!
作業センターふじなみ
回り道こそ必要
2023年02月03日
1つの作業には積極的に取り組み、凄まじい力を出すある利用者の方。
しかし、使い終わった椎茸培地を捨てる作業はなかなか気が乗らない?のか座り込んでしまう、、、
すると、それを見た他利用者はいらいら、無理に彼を動かそうとするのでみんなの動きも止まりみんなでイライラ、、、
こんな毎回の課題をどうにかしたい、彼も周りの利用者も苦しいのではと。彼にはこの作業は合っていないのかなと。
彼らが楽しく仕事ができるために、
何かヒントがないかとまた園長の元へ、、、
始まりと終わりを明確に、行程は分割することと当たり前の基本をとくとくと楽しそうに語って頂いてそれをヒントにまた支援者は空を見上げてボッーと考える。
そうして、まずは試してみよう!苦痛かもしれないけど付き合って!と終わりと始まり、、、、
彼にはハウスにあるたくさんの到底1日で捨てきれるはずのない培地がわかりにくいのでは?と。ではということで、培地を入れて運べる黒い箱をその日に決まった分だけ持ってきて、それが終わったらそれ以上は誘わないでおこうと思いつき実践!
それでダメなら彼のこの作業に関しては見直そうと。まずは一緒に箱を10個ハウスまで運ぶ。なんだ?という顔はあるが順調!
その後、手本を見せて、捨てたらまた箱を元の場所に持って戻ってきてと。2往復目で固まる彼。しかし、表情は死んでない。明らかに戸惑っている。その日はそれでジエンド。
ならばと次の日しばらく考えて、僕の考えが甘かった、、、始まりの場所に終わったものを持ってきたらエンドレスやないか、、、
終わった箱はその捨てた場所に置いてきて、手ぶらでハウスに戻り、ハウスの箱に培地を詰めてまた持っていく。捨てた場所に全てたまったら終わりで最後は運んで元の場所にしようと、、、
これが上手くいった。終わるまでやり続け、気分の良い時の鼻歌まで聞けた。
すると、不思議そうに「この箱いちいちここにためとく必要あるの?」そう、近くにいた他利用者に聞かれた。
「いいの!○○さんにとってはわかりやすいから。みんなも気にならなくなったでしょ?」と言うとみんな確かにーという顔。
「○○くん、廃棄嫌じゃないがだね、ちゃんとやっててすごいね」
よく彼に大声を出していた1人の利用者の方がまっすぐな瞳で僕に言った。彼は仕事をサボる人からたくさんやる人に昇格したらしい。すぐに認められる素直さもこの方々の素敵な一面だ。
声かけさえすれば動くこともあるのかもしれない。ではなく、彼にわかりやすいコミュニケーションの手がかりを毎回用意することは一見回り道かもしれないが、それこそ重要なのかもしれない。
作業センターふじなみ
マズローの欲求5段階説
2023年01月29日
日々一生懸命に仕事をする利用者の皆さん。
そんな彼らに何かイキイキとできるお仕事を少しずつ増やしていかなきゃなーとボッーと考えていたある日、ある利用者の方がお願いしていた仕事を終えた報告に来てくれた。嬉しそうに遠くから振るその手は真っ黒になっていた。大雪の中でも椎茸の仕事は毎日やってくる。今日は浸水といって椎茸の培地を冷たい水が入ったタンクから出して、また入れるという作業をしていた。いつも中心的に動いてくれる利用者の方がお休みの日で、少ない人数で頑張っていたのだ。僕がお疲れ様と声をかけ、手冷たかったよねと言うと、その彼は「いいのいいの!今日は〇〇ちゃんがいないからみんなで頑張らないと!」と言ってくれた。気分によってムラがあることもある彼だが、やるときはやる男なのである。そして「これ頑張ったらお給料もらって、お出かけで好きなバック買えるもの」と付け加えて去って行った。ふと僕は昔大学で学んだマズローの欲求5段階層説を思い出した。それは、欲求には階層があって下から基本的な欲求で自己実現へと移行する過程のようなものを示しているのである。例えば、彼の自己実現が買い物で好きなものを買うとして、そのために頑張ってるんだーという部分を就労サービスで支えているんだと終わるのはわかりやすい、簡単だ。しかし、それを知ることも素晴らしいが、仕事を通じて誰かに必要とされてイキイキと自信を持っていることや他者との人間関係でのときに葛藤や自分が誰かを支えるんだと責任感を持ったり、選択したり感情を引き出すこと。これが当たり前にできる人生を、欲求を、支えることこそが支援で一番の意義があり面白い部分なのかなと思った。欲求は生活の安全安心であり、誰かを愛したい、愛されたいでもある。それを当たり前に体験、保証するっていう視点は生活、余暇、就労と支援場面が変わっても共通して大事にしたい部分だなと、毎日泥だらけになって仕事を頑張っている彼らの手を見て今回は感じました。
作業センターふじなみ
これこそ本質??
2022年12月22日
日々の忙しさに追われてなかなか立ち止まれないこともあるかもしれませんが、めひのが大事にしている利用者の方の新たなお仕事を作るということについてふじなみでは職員が考えてよく話し合っていたりします。
そうはいってもなかなかアイデアは湯水のように湧いてこないもので煮詰まる中、、、、
ある日に園長から聞かせて頂いたかつての椎茸班のお話を思い出した。そして、みんなで話し合ってある仕事を思いつきました。冬は寒くなってハウス内の椎茸の育ち具合に差が出始める時期です。昔は今ほどたくさんの椎茸やハウスがないものの、椎茸栽培は空気の流れの入れ替えが大事なので特に頻繁に行っていたという椎茸培地の上と下を入れ替えるお仕事があると。これだーと思いやってもらうことに!
生えている椎茸を折らないように利用者の方々と一緒にまずは丁寧に見本を見せながら。その後は彼らを見守りながらを繰り返すと次第に上手くできるように。こうやってお仕事を作り、自信や新たな経験を積み重ねるお手伝いをするこそこそとても大切なことなのかな。そんなふうに思う年の暮れでした。