作業センターふじなみ トピックス
2017/08/01
300,000個の培地を作ること
作業センターふじなみには、よく見学者が来られます。
見学した人に「すごいですね。とても福祉施設とは思えないです」と言われます。
見学した人の中には、「よくこれだけのことをやろうと思いましたね」と言う人もいます。
作業センターふじなみという事業所を作って、菌床椎茸の一貫生産をやろうとしたとき、
職員の中には、先の困難について考える人もいたと思います。
おが屑に栄養体と水を加えて、攪拌して培養袋に入れ、圧力釜で殺菌した後、植菌してから22℃で培養して・・・と説明しても、
本当に福祉施設でそんなことが実際にできるのか信じられない人も多かったのではないでしょうか。
ちなみに、昨年度ふじなみで製造した培地の数は約300,000個です。
ふじなみが開所する前に培地を年間300,000個製造しますと言っても、誰がそんなにたくさんの培地を作るのですか?と不安になったと思いますが、
実際に、今年度も、その数を製造しています。それどころか、まだ余力があるので、もっと作らせてほしいと要請しているところです。
何か新しいことを始める時や、始まったばかりの時は、
「将来はこんな風になりたいとか、これぐらいのことをしたい」とかを語ると、
冗談みたいに聞こえたり、「そんな夢みたいな話を」とか、「何を馬鹿なことを」とか思われてしまって、真面目に考える人や、頭の良い人ばかりが集まっていたら、やめたほうがいいという結論になっていたでしょう。
作業センターふじなみという事業所を作って、菌床椎茸の一貫生産をやろうと決めた人はすごいなぁと、他人事ように思ってしまいます。よく、「できるはずだし、やってみよう」と言えたなぁと思います。何を根拠にやろうと決めたかは私にはわかりませんが、今、ふじなみで働いていると何となく見えてくるものがあります。
それは「必要だったから」だと思います。
ふじなみがあって良かったなあと今しみじみ思います。
ふじなみで働いている利用者の顔、椎茸を買ってくれたお客様の顔。
ふじなみで支援している職員の顔・・・
ふじなみを作るとき、椎茸の一貫生産工場を建てるとき、とても大変だったと聞きます。お金のこと、場所のこと、設計のこと、ノウハウのこと、人のこと・・・
「必要だった」ということは、いまわかります。つまり、「必要だったこと」が、そのことに関わる多くの人の心を動かし、ふじなみを作ったのだと思います。
「必要なこと」は人の心を動かすことなんですね。